皮ふ相談

 
近年、アトピー性皮膚炎に悩む方が非常に増えています。
 
その原因として、急速に欧米化した「食」の影響などが考えられています。
 
たとえば、肉類に含まれている脂肪と、魚類に含まれている脂肪は、まったくタイプが異なり、日本人には魚の脂肪に含まれているEPAやDHAがもっと多く必要であると言われています。
 
また、古くから日本人の主食は米であり、米を中心に野菜と魚を中心とした副食を摂るという生活が長い間続けられていましたが、近年では米の消費量が低迷しており、反対に牛肉の消費量は劇的に増えました。
 
それにともなって、食の季節感もなくなり、旬の野菜を摂ることも忘れられてきています。
 
さらに、冷蔵庫の普及以来、冷たいものの飲食が増え、特に砂糖を多く含む清涼飲料水の摂取が増えました。その結果、漢方的にみると消化器系の冷えに起因すると思われる症状が激増しました。
 
それらのさまざまな食の変化により、アレルギー疾患が増えてきたように思われます。
 
そこで、アトピーに悩む方には、米と野菜を中心にした伝統的な和食をお勧めしています。
 
また、冷たい清涼飲料水や、肉類を中心にした西洋食は控えていただいています。
 
それに加えて体質に合った漢方薬を服用していただきます。漢方薬は、たいていの場合、二段階に分けて使用します。
 
タイプにもよりますが、最初は炎症を抑える方剤を使用し、次いで炎症を抑えつつ体質のウィークポイントを補っていきます。
 
そのあと、漢方の視点で作られた基礎化粧品でスキンケアを行い、美肌を目指します。
 
アトピーの炎症からくる熱は、漢方的にみて大変強く、西洋医学的には、その炎症を抑えるのにステロイドの外用剤を使用します。
 
当薬局の薬局長は、東邦大学医学部の皮膚科教授をされていた西脇宗一先生の皮膚科の講義を2年間にわたって聴講した経歴を持ち、西洋医学的な治療の有効性も熟知していますので、ステロイド外用剤を急速に中止することはお勧めしておりません。
 
これは、炎症がリバウンドして大変危険ですから決してしないように指導しています。
 
漢方的には、湿熱の強いタイプ、熱毒の強いタイプ、血熱の強いタイプ、血虚のタイプ等がありますが、食養生をきちんと行って、漢方薬を適切に使用すれば、かならず良くなります。
 
当薬局の薬局長自身が幼年時にアトピーを患い、今でもアレルギー体質を持っていることから、患者様のお気持ちに寄り添ったアドバイスを常に心がけております。